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片想いの行方

第68章 ☆蓮愛相談室



▼Side... ヒメ



「………………」




………俺、何マジメに励まされてるんだろう。




しかも相手は蓮っだっつーのに。

電話を切ったあとも、1本電車を見送ってしまう程

俺はホームに立ち尽くしたまま動けなかった。




「アホか、俺は………」




色んな意味で、自分の愚かさにツッコミを入れて

すぐ次に来た電車に、俺はフラフラと乗り込んだ。



この不安の要因に蓮が関係してるんじゃないかと、暴走した俺に対して

奴は逆に優しい言葉で、助言まで言い放った。




“ 大丈夫だ。
お前は、そのままでいいんだよ ”




「………………」





あの男………


………なんなの?





車両の1番端に立って、思わず片手で顔を覆う。


蓮の言葉で、自分の心が穏やかになったのは確かだから



まるで神の御加護を授かったような

教祖の啓示を受けたような



悔しい気持ちを通り越して、そんな洗礼された気分になってしまった。

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