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片想いの行方

第71章 ★君のままでいい

「ねぇ、蓮」



カバンの中に蓮がチョコレートをしまうのを見つめて

私は静かに自分の想いを口にした。



「無理に、忘れようとしないで大丈夫よ」

「……え?」

「大好きだった彼女の事。
忘れる必要なんて無いわ」

「………!」



蓮は驚いた顔で私を見た。

その吸い込まれそうな瞳。

……さっきの彼と、よく似てる。



「貴方の想いは、空高く舞って消えたと言ったけど。

すぐに消そうとしないで、自然に任せればいいのよ」


「瑠璃………」


「蓮のことだから、私に遠慮して気持ちを抑え込んでしまうと思うけど。

私はまた蓮の恋人になれただけで、すっごく嬉しいの」



蓮がまだ、彼女を好きだっていいじゃない。

彼の傍に居られるという事実。



少しずつでいいから、また私を好きになってもらえるように

等身大の私を、蓮に感じてもらえるように

私らしく彼に寄り添えばいいんだ。



………私には

蓮がくれた、これからの未来がある。

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