片想いの行方
第72章 ★教祖崩壊
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「………泣くなよ、瑠璃。
さっき約束したばかりなのに、俺立場ねーだろ」
私の目に溜まった涙を、蓮は指でそっと拭う。
「………誰のせいよ」
「………ごめん」
息がまだ整わず、熱を帯びたままの体。
私がじっと睨むと、蓮は気まずそうに目線を外して、私のブラウスのボタンを止めていく。
普段の硬派な感じでもなく、さっきまでのドSでもない、シュンと落ち込む蓮。
その珍しい姿が……なんだか心をくすぐる。
乱れた髪を整えながら、やっと落ち着きが戻ってきた。
「もう……誰かに見られたらどうするつもりだったの?
お客様を連れ込んだ上にこの有様……
私完全にクビになるわ」
ふうっとため息をついて、そう呟くと
「そしたら俺がもらってやるよ。
いつでも迎えに行くから、安心して」
蓮はサラリと言った。