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pure love

第1章 出逢?

凛は、バケツを持って立ち上がる。

「でも、私は先生に紹介される前から知ってたよ? クラスメイトだし、蓮くんて有名だもん」

「………有名?」

凛の言葉にピクリと肩が震えた。


─────まさか、

まさか、病気の事はバレてないよな⁉︎

不安げな視線を凛に向ける。

凛はニッコリ笑うと、ビシッと俺を指差した。


「イケメンなのに不良、モテるのに誰とも付き合わない蓮くん!」


─────不良?

思いがけないその言われ方に、なんだかちょっとムッとした。


なのに…

ガタンッ、バシャ

「ひゃあっ⁉︎ 」


─────案の定というかなんというか……

雑巾掛け用のバケツをひっくり返す凛。

「へへっ、また失敗しちゃった」

照れたように俺を見て笑う凛に、俺もつられて笑っていた。

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