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pure love

第1章 出逢?

笑い過ぎーと膨れながら、凛は俺の腕の中をすり抜けていった。

離れた熱が妙にさみしい。


「さ、窓拭き始めようっと」

凛は窓の近くにあった脚立に昇って窓拭きを始める。

「そこは俺がやるからいいよ。お前そこから落ちそうだし」

そう言いながら凛へと近付けば、

「そこまでドジじゃありませんから!」

膨れっ面した凛が勢いよく振り返った。


「……え……」

凛の声よりも先に、凛の身体がグラリと傾く。

「─────…凛‼︎ 」

また、だ。
頭より先に身体が動く。


見開いた目を、凛がキツく閉じるのが見える。

凛の身体は脚立を離れ、背中を下に落ちていく。

スローモーションに映るその景色。

でも、俺の身体の動きはスローモーションではなかった。

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