テキストサイズ

pure love

第1章 出逢?

─────ドサッ
ずっしりと、腕に重みが掛かる。


力を込めて抱き上げれば、それは思っていた以上に、軽くて、柔らかい。

(女の身体って、こんなにちっさくて柔らかいんだ…)

俺の腕の中で、状況がわからずにいる凛を見てホッとした。


「よかった……」

凛の足だけを床に下ろし、思わず抱き寄せていた。

「れっ、蓮くん⁉︎ 」

慌てた凛が俺の腕の中でもがけば、フワリと石鹸の香りが漂う。

─────すげぇいい匂い。

その香りに誘われるかのように、気付けば俺は、凛の首元へ顔を摺り寄せていた。


「ごごごごごっごめん‼︎ ありがとうっ」

真っ赤な顔をして、凛は俺の腕の中からすり抜ける。

名残惜しげに凛の腕を追いかけた自分の利き手を、俺は驚いて引っ込めた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ