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pure love

第6章 友情?

凛の自転車に跨る。

振り返って荷台を叩き、

「凛、後ろな」

そう言えば、

「ありがとう。私、自転車の後ろに乗るの初めて!」

どこか嬉しそうな凛。


「マジ? 俺、自転車乗るの初めて!」

「嘘っ、やだっ、私運転するよ⁈ 」

「何で? ヘーキヘーキ」

「だって、転んだら…」


「ヘーキだって。凛が運転の方が転びそうじゃん?」

そう言って、グッとペダルを踏み込む。

「だから私、そんなに鈍臭くない」

言い返した凛が、

「きゃっ⁈ 」

俺の背中に抱き着いてきた。


ドキン

(うわ…ヤバイ…)

背中に触れる柔らかいものに、嫌でも意識が集中する。


このまま…ずっとこうしていられたらいいのに……。

病気の事も忘れて、

普通の高校生みたいに恋愛して…将来を夢見て…

ずっとずっと、このまま一緒にいたいと…強くそう思った。


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