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pure love

第6章 友情?

息が上がる。

苦しい。

「はっ…も、切るぞっ」

携帯を耳から離し、終了ボタンを押そうとした。


『おいっ! コラ蓮‼︎ 切るなよ‼︎ 』

奏の怒鳴り声。


─────コイツ、

マジで俺のこと心配してんだな。


いつも飄々としてる奏の声に、焦りの色が混ざっていた。


携帯の口元を押さえて、奏に聞こえないように荒い息を吐き出す。

『蓮‼︎ れーん‼︎ 無視すんな!』

答える事が出来ない。

だけど、

携帯から漏れるバカデカイ奏の声が、

暗闇に飲み込まれそうになる俺の意識を繋ぎとめてくれていた。


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