テキストサイズ

pure love

第6章 友情?

『凛ちゃんち? 秋村病院?』

電話の向こうから、奏の不思議そうな声。

「そう」

『夏休みなのに何で? 付き合ってんの?』

「ばっ…まだ付き合ってねぇよ!」

思わず大声で言い返す。


『ふーん…”まだ”、ね?』

「─────…っ‼︎ 」

『オッケー、今すぐ行く』

アッサリ切られた電話を見つめる。


”まだ”か…


”まだ付き合ってない”

咄嗟に出た自分の言葉を、頭の中で復唱する。


こんな状態の俺が恋愛をしてもいいのか?

こんな状態で凛と一緒に居られるのか?

こんな状態を知ったら、凛はどう思う?


─────泣かせたくない…


だったら一緒にいない方がいい。

だから恋愛を避けてきた。他人との深い関わりを避けてきた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ