テキストサイズ

pure love

第7章 告白!

「治まったら声掛けろ」

俺に背を向けて、少し離れる奏。


こんな光景を見ても、奏は何も聞かない。

絶対バレてるのに…


あんなに誰にも知られたくないって強がってたのに…

たった4ヶ月の付き合いなのに、奏みたいなのがホントの友達って奴なんだろうなって思う。



薬が効いてきたのか、ようやく呼吸が落ち着いてきた。

立ち上がる時に少しフラついたけど、もう平気そうだ。


俺は、目の前の奏の自転車に跨る。


「んじゃ、お先〜」

奏の自転車で、奏の横を颯爽とすり抜けてやった。


「あ、てめっ、蓮‼︎ 待ちやがれ!」

ダッシュで追いかける奏。


いくら奏がダッシュしたって、自転車のスピードに追いつく訳ない。

わざとノロノロフラフラと運転して、追いつきそうになったらペダルを勢いよく回して、奏を挑発する。


「それ、俺の自転車‼︎ 」

ガシッと奏の手が荷台を掴んだら止まる。

これ以上漕いだらまた苦しくなりそうだったから。


「ったく…」

息を切らしながらサドルに座る奏。


「サンキュ…」

荷台に座りながら、俺は小さく呟いた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ