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pure love

第8章 相愛

「……知らない。蓮が言いたくないなら、知りたくない」

「奏……」


─────わかってる…。


もう、黙ってるのも限界かもな。

同情なんていらない。

可哀想な目を向けられるのは嫌だ。

だから、誰にも知られたくなかった。


─────でも、

こいつらは違う気がした。


──────────……

─────…

全部…話終えて2人を見れば、

驚きに見開かれる瞳に、うっすらと透明な膜が張っていた。


「………治る、よな?」

雅也の震える声…初めて聞いたかも。

思わず、フッと笑みが漏れる。


「治すよ、凛の為にも……俺の、為にも」


ホッ…と、奏が息を吐いたのがわかる。

目が合えば、ニッといつもの笑みを向けられた。


「治せよ!」

涙声な雅也に、奏と苦笑する。


「治せよ、俺の為にも!」

「何で雅也の為なんだよ?」


笑い合いながら、皆の待つシートへと戻った。


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