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pure love

第8章 相愛

男1人に女4人。

俺らが戻ったせいでハーレム状態が終わり、紘平は聞こえるように舌打ちした。


「そのコミュ力を、毎朝駅で見つめるしか出来ない彼女に生かせよ?」

みるみる内に顔を赤く染め上げ、俺を睨む紘平。

何やら言い返そうとした紘平の言葉を遮るように、

パンパンパン‼︎

花火大会が始まった。


「綺麗……」

隣に座った凛の声が、花火の音の合間に聞こえた。


振り向けば、花火の光に照らされた凛の笑顔…

─────ドクン‼︎

心臓が跳ね上がる。


そ…っと、凛の手に向けて手を伸ばす。

花火に夢中な凛。

シートに置かれた白い手。

触れそうになったその時…


「た〜まや〜」


花火の爆音に負けないくらいの大声で、奏が叫んだ。


「……奏、うるさい」

「バカ、そこは ”か〜ぎや〜” だろ」

「マジでうるさい」


てか、マジでムカつく。

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