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pure love

第1章 出逢?

でも……

「よそ見してんなよ、危なっかしい」

マグカップにお湯を注ぎながら、凛の目線は俺に向けられている。

散々ドジをやらかしてきた凛。

絶対危ない気がする……。


「もぉっ、私はそんなに鈍臭くな…っ熱‼︎ 」

ほら、言わんこっちゃない。

マグカップから逸れた熱湯が、マグカップを押さえていた凛の左手に掛かる。


「ほらみろ、馬鹿!」

「大丈夫! ちょっと掛かっただけ」

凛は咄嗟に左手を背中へと隠そうとする。


「馬鹿! すぐ冷やせよ!」

俺は、凛の背中へと隠された手を無理矢理引き寄せる。

そのまま強引に水道まで引っ張り、勢い良く出した水に、凛の手を掴んだ自分の手ごと浸した。

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