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pure love

第8章 相愛

他の屋台を見て回っている時、その後ろに空いているベンチを見つけた。

周りを木に囲まれていて、2人きりの空間になる。

だけど、

木と屋台が邪魔で、花火が一部しか見えない。


「だから誰もいないんだね」

凛の言葉通り、絶好のイチャつきスポットなのに周りには誰もいなかった。


「ま、いっか。座ろ?」

「うん」


ベンチに座り、先に凛がカキ氷を一口頬張る。

「冷たい! 頭キーンてする」


「たったの一口で?」

思わずそう返した俺を、不満そうに見る凛。

ずいっとカキ氷を顔前に押し付けられる。


「イチゴ味のカキ氷って、見た目スイカに似てない?」

「は? 似てないし…」

「スイカみたくパクッと食べれそうじゃない?」

「は?」


─────何なんだ、その挑発的な目は…。


思い切ってかぶりつけば、案の定、

「キーンってなった!」

大袈裟に頭を押さえてみせる。


クスクス笑う凛は、

「たったの一口で?」

満足げに、先程の俺の言葉を返した。



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