テキストサイズ

pure love

第8章 相愛

結局、凛は3口程食べただけで、

残りのカキ氷は俺1人で食べ切った。

花火が上がれば空を見上げるけど、

「もっと高く上げてくれないと見えない」

木が邪魔して見えない。

だから、俺と凛はずっと話をしていた。


「凛って誕生日いつ?」

夏生まれってのは前に聞いた事がある。

一緒に過ごせないだろうかと、期待を込めて聞けば、

「8月12日」

意外にも近くに凛は誕生日を迎えるらしい。


「もうじきだな」

「蓮は?」

「4月! 入学式の前日」

「早過ぎだよー。もう過ぎてる…」


唇を尖らす凛。

だけど、誕生日なんて選べないだろ。


「じゃあ、今日にしよ?」

「は?」

「今日が蓮の誕生日!」

「はぁ?」

突然の意外な提案に戸惑う。


「お祝いしたいの!」

「別にいいよ。誕生日って嫌いだし」

「え? 何で?」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ