テキストサイズ

pure love

第9章 深愛

俺の背中に回された凛の腕に力が篭るから、

「……凛の誕生日、どこ行く?」

慌てて話題を逸らす。


何か言いたげな顔を向ける凛。

だけど、すぐにいつもの笑顔に戻り、俺は小さく安堵した。


「無理…しなくていいのに……」


無理…か……。

最近、発作は起きてないんだけどな。


夏の暑さのせいもあるんだろうけど、

確かに身体が重たくて、怠さに負けて眠くなる。


─────でも…


「無理してでも一緒に過ごしたい」


”後悔” したくない。

だから、思うように過ごしたい。

凛と、一緒に過ごしたい……。


───かぁぁぁっ‼︎

みるみる赤くなる凛の頬。

「あ、凛の顔…」

思わず口から飛び出した言葉に、

「わかってるから! 言わないでっ」

赤い顔のまま、凛は眉間に皺を寄せた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ