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pure love

第9章 深愛

”30分だけ” なんて言っといて数時間爆睡…

おかげであっという間に帰る時間になっていた。


「そろそろ帰るわ」

課題がひと段落したのを見計らって、そう声を掛ければ、

「うん……」

寂しそうに眉を寄せる凛。


ヤバっ……可愛い!


無性に抱き締めたくなって、手を伸ばす。


─────ズキンッ‼︎


「はっ…⁉︎ 」

胸に激痛が走り、

いきなり呼吸が継げなくなった。

陸に上げられた魚みたいに口をパクパクさせて、痛む胸を押さえる。



「蓮⁈ 」

駆け寄った凛の顔が、グラリと歪んで見えた。


これは…

マジで、ヤバイかも……


「───っぁ…‼︎ 」

苦しくて、喉元から胸元を掻き毟り、そのまま蹲る。


「蓮、しっかりして‼︎ 今、お父さん呼んで来るから‼︎ 」

凛の足音と共に、

俺の意識も…

遠去かっていった……


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