テキストサイズ

pure love

第9章 深愛

耳を塞ぐ凛の手にそっと触れれば、

その手は小刻みに震えていて…


─────違うんだ…

俺は、凛に悲しい想いをさせたいんじゃない。

笑っていて欲しいんだ。


「凛には、いつも笑っていて欲しいんだ…」

”俺の、隣で…”

その言葉は、付け足していいのか悩んで、飲み込んだ。


「もしもこの先、凛の隣で誕生日を一緒に祝えなくてもさ……俺は心ん中でちゃんと祝ってるから。

ずっと凛だけを想ってるから。

俺の心の中には、この先もずっとずっと凛だけしか居ないから……」


顔を上げた凛は、案の定、涙で濡れていて…

「やだ…蓮のバカ……」

そう言ってまた、顔を歪める。



「私だって…っ…私だってそうだよ!

この先一生、蓮だけでいい。

蓮の傍にいる! 

蓮の傍にいたいの…いさせて……っ」


俺は、凛を縛り付けたい訳じゃないのに…

こんな事を言われたら、縛り付けたくなる……


ストーリーメニュー

TOPTOPへ