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pure love

第9章 深愛

「このままここで寝ちゃう?」


───忘れてたけど、ここって凛の家だ。

まだ宵の口だからか、家の中に人の気配はない。


そういえば、凌太先生と奥さんは出掛けてるんだったな。

兄貴はまだ学校で、弟は友達の家だったか?


さすがに今から寝たら、お泊まりコースだよな。

それはマズイか…


「帰るよ。また明日な」

そう言って、脱ぎ散らかした服を拾って着始める。


「やだ…帰んないで……」

ギュッ…

背中に抱き着く凛。


─────シたばっかなのに…反応すんなよ、俺……。


「寝るのが怖いんだよ、そのまま目が覚めなかったらって…」

凛の隣でなんて爆睡しそうだし、幸せ過ぎて逝くかも。


なんて頭を過ったブラックジョークに自嘲すれば、

「大丈夫!私が叩き起こしてあげる」

バシバシと俺の背中を叩く凛。


─────敵わねぇな…


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