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pure love

第10章 願い

全ての器械が外されて、俺はゆっくりと起き上がる。

身なりを整えながら、俺に背中を向けてカルテに何かを書き込んでいる凌太先生に話し掛けた。



「な、先生。俺、大丈夫だったよ?」

「ん? 何が?」

明るく話し出した俺を、凌太先生は少し驚いた顔をして振り返る。


「ほら、山登り合宿の後さ、先生に聞いたあの話」

「合宿? 何だった…か…」

言いながらカルテを捲った凌太先生の手が止まる。



「は? お前、まさか凛と⁈ 」


ははっ、

凌太先生、完全に ”父親の顔” になってる。


いつも凌太先生にはからかわれてばかりだからな。

今日はいつもの仕返し…


それから、

主治医に止められた事をやれたっていう、

病気に対する『宣戦布告』

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