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pure love

第10章 願い

「そ! 大丈夫だった」

凌太先生の正面に置かれた椅子に座りながら、ニッと笑いかける。


「お前…彼女の父親によくそんな報告が出来るな…」

はぁー…っと、何とも複雑な顔をして溜息を零す凌太先生。

やっぱこの話はマズかったか?


「あー…ほら、俺が凛の目の前で発作起こした時に、必要もない人工呼吸をさせるような父親だから平気かと思った」


そん時の仕返し〜なんて軽い気持ちもあったんだけど、さすがに凌太先生でも複雑か……。



「キスとそれは違うだろ! ちゃんと避妊しただろうな?」

「当たり前じゃん。凛の心も身体も傷つけたくない」


うん、それだけは胸を張って言える。

凛の事、それくらい大事なんだ。


俺の本気を伝えたくて、

凌太先生の鋭い瞳からも目を逸らさなかった。


「……蓮……お前変わったな」

フッと優しく微笑むと、凌太先生はガシガシと頭を掻く。


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