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pure love

第10章 願い

「いい傾向だけどな。蓮を変えたのは自分の娘だと思うと……複雑だな」

凌太先生は困ったように口端を上げる。


かと思えば、スッと医者の顔になって、

「経過もいいし、薬が合ってるのかもな。ただ、この急激な回復に体力が着いていけてない。絶対無理するな」

念押しされる。

 
「”無理するな” ばっかじゃん……眠過ぎて無理なんかする気力湧かない」

「まあそう言うなよ。眠気の副作用は辛いかもしれないけど、夏休みだしもう少しこの薬で様子見たいな」


─────だよな…。

分かり切ってた答えだけど、

分かり切ってた答えが返されると、思わずため息が出る。


「ははっ、あー…やっぱ?」

「自覚ある程辛いのか?」

「最近はね。ちょっとヤバイかも」


あまりにも身体が重くて…瞼はもっと重くて……


最近では、凛が俺の部屋に来てくれる。

凛がいる間は起きていたいのに、気付けば爆睡してる。

せめてこの眠気、どうにかなんねぇかなぁ……。



「今は蓮の身体の回復期なんだよ。よく食べよく寝て、体力を蓄えているんだろ」


グシャグシャと俺の頭を撫でる凌太先生。

主治医にそう言われれば、従わない訳にいかないよな。


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