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pure love

第10章 願い

「バーベキュー?」

『そう! 山登り合宿の時の宿泊施設が借りられて、近くの川の土手にバーベキュー施設を見つけたんだ』


診察の後、俺は病院の隣の豪邸へと入る。

凛の母親に挨拶して、通い慣れた部屋へと階段を登る。

前は軽快に登れた階段だけど、今は途中で休憩を挟まないと身体が持たない……って、年寄りかよ、俺は!


足音に気付いた凛が部屋から出て来て、階段の途中に座り込む俺の横に座る。

そこに、奏から電話が掛かって来た。


「合宿所かぁ……」

遠いよな……

山道だよな……

うーん、今の俺の体力じゃ無理かも。


断ろうと口を開いた時、

隣からキラキラ輝く瞳を向ける凛に射すくめられた。


「凛、行きたいの?」

「行きたいの!いや、行かないよ!蓮の身体の方が大事!」

ブンブン首を振る凛だけど、最初に本音が出てるぞ?


「じゃあ、行くか?」

「いいの⁉︎ いや、ダメだよ、ダメ!」


─────どっちだよ⁈

って……俺の体調を気にしてくれるんだよな。


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