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pure love

第10章 願い

奏と紘平の親が車を出してくれるから、車の中なら寝てられるし、山道を歩く心配はなくなった。

今は、

合宿所に一泊するための許可を取っているところ。


俺の隣には凛。

俺たちの目の前には、凌太先生とその奥さんの美優さん。

俺の病状を心配した親は、凌太先生の許可が出るならという条件を出したから、

俺も凛も、バーベキューに行けるかは、凌太先生に掛かっている。



「泊まりはダメ。いくら蓮の手垢付きでも、男との泊まりはダメ」


─────手垢って…

診察の時に、余計な事 言わなきゃよかった。


「日帰りの方が大変じゃない! 奏くんと紘平くんの親の迷惑になっちゃう!」

「俺が迎えに行く」


父親の顔の凌太先生も、なかなか手強いな。

でも、

「せっかくなんだしいいじゃない! 煌太は友達のお宅に入り浸ってるし、受験生の優太は勉強に忙しいし、たまには私とのんびりしようよ」

「よし、凛の泊まりを許可する」

美優さんの言葉に、呆気なく許可が下りた。


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