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pure love

第10章 願い

そして、今度は俺に視線が注がれる。


「蓮はダメ。5秒で寝れるくらいの眠気で……無理だろ」

すっかり医者の顔をした凌太先生は、さっきよりも手強い。


「でも行く。凛だけじゃなく、友達とも思い出作りたいんだ」

「思い出って…」

「あ、夏休みの思い出ね。友達なんて呼べるヤツら初めて出来たからさ」


雅也…

紘平…

2人のお陰で、高校生活がすげー楽しい。

そして、奏…

病気の事…ずっと気付かないふりして、でもちゃんと気にして、気を使ってくれる。


「あいつらとも遊んでやんないと拗ねるからさ」


照れも手伝って茶化しちゃったけど、

俺の気持ちは凌太先生に伝わったようだった。


「わかった……俺も行く」

「はぁ⁈ 」


凌太先生以外の3人の声がハモる。


「ちょっと凌太⁈ 診察はどうするのよ⁈ 」

「一日くらい俺が居なくても大丈夫だって」

「ええっ⁉︎ 泊まりでしょ⁈ ダメでしょ‼︎ 」


凌太先生と美優さんの押し問答が続く。


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