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pure love

第10章 願い

結果─────…


「おはようございます。今日明日とよろしくお願いします」


一泊分の荷物が入った鞄をトランクに詰め込み、俺の親を振り返るその人。


「お任せください」

「はい! もうどーんと任せています。凌太先生が居れば心配なんてないです」


はぁー…

結構デカイ病院の院長先生って、そんな簡単に休めんの?

まぁ、おかげで俺も参加出来るんだけど……。


「蓮! おはよ」

「おはよ、凛」


後部座席のドアを開け、嬉しそうな笑顔を見せる凛。

ドキンと高鳴った胸につられて、俺の頬が緩む。


「はい、見つめ合い禁止! 必要以上に近付かない!」


サッと目の前を覆った陰は、

勿論、凌太先生で…

「お父さん! 邪魔しないでよ!」

凛が、凌太先生の背中をポカポカと叩いている。


─────なんか、イイな…


娘の顔した凛は新鮮だ。

それに、凌太先生と凛みたいな仲のいい親子……憧れる。


俺は凌太先生の身体を押し退けて、

ドカッと凛の横へと座り、挑発するように凌太先生を見上げた。

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