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pure love

第12章 短編・番外編【第一章・大好きな人】

「え? え? 何? どうした?」

オロオロと立ち上がった凌太。

その胸に、キツく抱き寄せられた。


「ごめ…っも、わかんなっ…」


凛はあれからも何度か検査を受けている。

発症の兆しはないと言われている。

それでも、

それでも不安で仕方ない。


日に日に姉に似ていく凛。

姉のように、私を置いていってしまうのかもしれない。

恐怖に震える身体を、凌太の体温が包み込んだ。


「まだ研修医だった頃に世話になってた病院からさ、メールが来てたんだ」

私の髪を撫でながら、穏やかな口調で凌太が話し始める。


「あれからどんくらい経ったかなぁとか…

あん時は毎日必死だったなぁとか…

いろいろ思い出してたらボーッとしてた。

ごめんな? 美優が入って来たのも気付かなかった」


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