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pure love

第12章 短編・番外編【第一章・大好きな人】

それから、十年以上の時が経ち……


「あの時の凌太の予感、当たったね」

「ん?」


真っ白な衣装に身を包み、目の前の十字架を見上げる若い2人を見やる。



「蓮くんが引越しと共にうちの病院に転院するって決まった時…」

「あー…」

もう何年前の事だろう。

蓮くんと凛が出会う前から、凌太は言っていた。


「蓮くんと凛はきっと恋に落ちるって、凌太 言ってたよね」


私の言葉に小さく頷き、寂しそうに笑った凌太が、私の手をギュッと握る。


「ふふっ、パパ、泣かないでよ?」

溢れそうな涙は見なかった事にして、凌太の手を強く握り返した。


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