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pure love

第13章 短編・番外編【第二章・約束】

でも逆に、俺の気持ちは燃えていた。

弱音を吐ける相手がいなくなったのはキツかったけど、

”早く一人前の医者になって会いに行く”

そう、決めていた。


だから、

院長室を出る時、凌太先生に掛けられた言葉に、思わず小走りになってた。


「今日は病棟担当な。連絡しといたからそこで話し聞いて」

「はい。ありがとうございます」

「……ずっと待ってたから……会ってやって」

「……え?」

「俺の可愛い一人娘に」



凌太先生からは、凛の近況は聞けなかった。


ナースになったのか?

発病は今も抑えられているのか?

……まさか、病棟で入院してるなんてことないよな⁉︎


結婚していても、子供がいたっていいんだ。

元気でいるのならいい。

あの笑顔に、もう一度会いたい……


はやる気持ちに急かされていく足。

そんな俺の足は、

「廊下を走らない‼︎ 」

懐かしい…厳しい声に止められた。


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