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pure love

第13章 短編・番外編【第二章・約束】

振り返れば、両手を腰に当て、こちらを睨む年配のナース。


”廊下を走らない‼︎”

昔と変わらない怒鳴り声に、安堵の笑みが零れた。



「あら…もしかして、高杉先生?」

表情を緩め、年配ナースが俺に近付いてくる。


「はい。今日からお世話になります。高杉 蓮です」

ペコッと頭を下げれば、

「蓮くん……あの時の、蓮くんなのね……」

昔を懐かしむような優しい瞳。

やっぱり、このナースは…

俺が秋村医院に入院してた頃、病室へと急ぐ凛を毎日のように叱っていたあのナースだ。


「懐かしいわね。あれから何年経ったのかしら……今は私が、秋村医院の総婦長なのよ」

ナースステーションへと招き入れられ、今日の指導医が来るまで、そのナース…総婦長が教えてくれた。


「今ね、凛ちゃんは病室の方に…」

───病室…⁉︎

じゃあ、やっぱり凛は発病して⁉︎


俺が、絶対に治してやる!

そのために医者になったんだから‼︎


意気込んで総婦長に告げようとした時、

「あ、凛ちゃん! 紹介するね」

俺の後ろに向け、総婦長が手招きをする。


「……凛?」

総婦長の言葉に高鳴る心臓。

恐る恐る振り返れば、

「─────…っ‼︎ 」

真っ白なナース服に身を包んだ、大人の凛が、いた。



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