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pure love

第2章 嫉妬?

「凛…誰、コイツ! 凛の知り合い?」

平野は俺を睨みながら、低い声で凛に聞く。


「あ…クラスメイトの、蓮くん」

戸惑いながら答える凛。

その視線は俺に向けられていて、泣いてしまうんじゃないかってくらい心細く揺れていた。


「クラスメイト? ただのクラスメイトの癖に邪魔すんの?」

「じゃあ、お前は? お前もただの同級生だろ?」


凛の態度を見たらわかる。

凛は平野に”同級生”以上の感情は持ってない。

そりゃそうだよな、セクハラ親父みたいに触ってくる男なんて、女にとって恐怖の対象だろ。


「はぁっ⁈ 」

凄みのあるデカイ声を上げた平野に、凛の細い肩がビクリと震えた。


「違うの?」

誰かとこうして喧嘩なんかした事ないし、殴り合いなんてしたら俺の場合は命に関わる。

それでも、今は凛を安心させてやりたい…俺が凛を護ってやりたい。

そんな気持ちを込めて凛を見る。


「……そう、ただの同級生だよ」

俺の視線を受け止めた凛は、少しだけ微笑むと小さく頷いた。

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