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pure love

第2章 嫉妬?

「なっ…」

「だってさ」

平野が動揺を見せれば、俺は馬鹿にしたように鼻で笑う。

平野の怒りが凛に向かないように、精一杯の虚勢を張ってみせる。


「てめぇ…」

怒りに拳を震わす平野。

コイツ、喧嘩強いのかな?

俺の身体、どんくらい動くかな。

なんて、冷静に考えてたりする。


「れーん、何かトラブル?」

ガシッと後ろから、奏に肩を組まれる。

その後ろにいるのは俺のクラスの男子共で、何事かとこちらを見ている。


「覚えてろよ」

逃げの決まり文句を吐き出し、平野はくるりと踵を返し去って行った。

はぁーっ…と思わず溜息が零れ、身体に入っていた力が抜ける。


「あの…ありがとう」

さっき肩に掛けてやったタオルを返す凛。

せっかく隠してやった白いうなじが眩しい……。


「いいよ、やる」

受け取ったタオルをまた、凛の首に巻きつける。

「え? でも……」

「首に巻いて隠しとけ」

「……隠す?」

キョトンと小首を傾げる凛。


うわ…その仕草もヤバイわ。

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