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pure love

第2章 嫉妬?

合宿2日目。
今日も留守番組は、俺と凛。

合宿所内の掃除は午前のプログラムに組み込まれてて、山登り前の同級生達と先程済ませた。

その同級生達が合宿所を出てから1時間。

俺と凛は、黙々と今日の課題の自習プリントを進めていた。


「蓮くんて頭いいんだ!」

各教科1枚ずつのプリントをあっという間に解き終えた俺を、凛はキラキラした瞳で見つめている。


「そういう凛だって解けてるじゃん?」

3枚目のプリントを終わらせた凛。
パッと見、空欄がないから、全部解けているんだと思う。


「うちね、兄と弟がいるんだけど、兄は小さい頃からお医者さんになりたいって勉強ばっかしてて頭いいの。よく教えてもらうんだ」

「へぇ」

凛は、男兄弟に挟まれて育ったんだ。

小さい頃から医者になりたくて勉強する兄貴って…すげーな。


「蓮くんは? 兄弟は?」

「俺はひとりっ子」

病弱だった俺の付き添いで忙しくて、兄弟なんか作る暇なかったんだろ…とは、凛には言えないけど。

「そうなんだ! 私ね、ずっとお姉ちゃんが欲しくて…」


すっかり手の止まった凛に苦笑しながらも、笑顔で話し始める凛に引き込まれる。

たわいない会話だけど、こうして2人で話していられるのが楽しくて仕方ない。

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