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pure love

第2章 嫉妬?

─────嫌な予感がする。


女のやっかみの矛先は、大抵が女だ。

そうなると……

「凛…っ…」

凛に何かされるかもしれない。

そう思えば、俺の声は震え、胸が引き裂かれそうに苦しくなった。


「……星空をずーっと眺めてると引き込まれるよね」

穏やかな微笑みを浮かべた凛が、星空を見上げたまま呟く。

「こうして手を伸ばすと、星が掴めるような錯覚を起こす……」

スッと、凛の手が空へ向けて伸ばされる。

儚げなその白くて細い手が、本当に星を掴みそうで…

そのまま、凛が夜空へと連れてかれそうで…

俺は慌てて凛の手を掴んでいた。


「れっれれれ…蓮くんっ⁈ 」

驚いて吃る凛。その顔は多分、真っ赤だ。


「……凛はドジだから、星に夢中になり過ぎて屋上から落ちないように」

尤もらしい言い訳をして、凛の手を引き寄せて、他の奴らから見えないように繋いだ手を隠した。

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