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pure love

第3章 初恋?

「蓮くん、またあさってね〜」

元気な声に振り返れば、笑顔の凛がこちらに向けてブンブンと手を振っていた。


「ちゃんと前見て歩けよ!」

小さく手を振りながらそう返せば、凛が何やら言い返したのが聞こえる。

歩き出したかと思えば、何もない所で躓く凛。

言わんこっちゃない。


───だけど…

ガシッと力強い腕が凛の身体を引き起こす。

他校の制服…どこだったか…かなり頭のいい学校の制服だ。

真面目に制服を着こなし、染めた事なさそうな黒髪は短く切り揃えられ、ダサく見えそうなその格好が全くそう見えないのは、そいつが細身の長身だったからか…。

後ろ姿からでも、そいつの纏う雰囲気でかなりのイケメンなのだろうと想像出来る。


よくよく見れば、そいつは凛の荷物を肩から提げていた。

(………誰、アイツ)

穏やかだった心がざわめき出す。


そいつに満面の笑みを返し、仲良く並んで歩き出す凛。

モヤモヤと黒い感情が心の中に広がっていった。


─────イライラする。


仲良さげな2人の姿。

睨むように見ていた俺を、凛の隣にいるそいつが振り返った。

(……誰かに…似てる…?)

振り返ったそいつはやっぱりかなりのイケメンで、優しそうな雰囲気と表情が誰かに似ていた。

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