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pure love

第3章 初恋?

「おはようございます」

爽やかな笑顔を見せながら入ってきたのは…


「凌太先生! おはようございます! 昨晩はありがとうございました」

ペコペコと、これでもかというくらい何度も凌太先生に頭を下げる両親。


「何事も無くて本当に良かったです。蓮、ご両親にかなり心配掛けたんだからな! 大袈裟なんて言うな」

親に向ける顔は医者の顔なのに、俺の方を振り返った凌太先生の顔はまるで兄貴のようだ。


「爆睡してただけで救急車なんて、どう考えたって大袈裟だろ」

溜息を零しながらそう言えば、バシッと軽く頭を叩かれる。


「あのバカデカイ音の救急車のサイレンにも起きない。ベッドとストレッチャーを何度も移動させられたのに起きない。そりゃあ心配するだろ」

「……っ……」

確かに…そう言われればその通りだと思う。


引っ越す前に掛かってた病院の医者は、皆俺の親を”過保護だ”ってバカにしたように笑ったけど、凌太先生は笑った事ないな。

やっぱ、同じくらいの子供を持つ親だからか?


「………ごめん」

小さくそう呟けば、父親と母親は顔を見合わせて涙ぐむ。

やっぱり過保護だろと思ったけど、凌太先生は嬉しそうに笑って俺の頭をガシガシと撫で回した。


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