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pure love

第3章 初恋?

「合宿どうだった?」

診察室に入るなり、凌太先生が話しかけてくる。


「あー…別に…普通」

「普通? 普通って何だよ?」

ククッと可笑しそうに凌太先生が笑う。

「普通に寝れたし、普通に飯食ったし、普通に自習してた!」

「はははっ、そりゃ確かに”普通”だな」

ゲラゲラ笑い出す凌太先生に、ちょっと…いや、かなりムカつく。


「……ガキ扱いしやがって」

ボソッと呟いた俺の言葉に、凌太先生は一瞬目を瞠り、すぐに優しく目を細めた。

「……ガキ…だよ。俺にとっては、蓮もガキ…自分の子供みたいなもんだ」

ガシガシとまた、凌太先生が俺の頭を撫で回す。


───そういう所がズルイと思う。

敵わないって思う。


「一応セットしてんだからヤメロよな」

グシャグシャにされた頭から凌太先生の手を振り払い、軽く整える。

顔を上げれば、真っ直ぐに俺を見つめる凌太先生の視線がぶつかる。


「発作は起きなかった?」

医者の顔をした凌太先生に、急に胸が騒ぎ出した。


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