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pure love

第3章 初恋?

「もしかして、初恋か?」

グシャグシャと、また凌太先生の手が俺の髪を崩す。

でも今はそれどころじゃない。


「─────…っ」

合宿一日目、火傷した凛の手を水で冷やしながら…

覗き込んだ俺と、振り返った凛の唇が、ホンの一瞬触れ合った…

その柔らかな感触を思い出す。


偶然触れただけ…

でも、あれって”キス”だ。

俺にとって、初めての…女の感触……。


かぁぁぁぁぁっ…
音がなりそうな勢いで顔が赤らんだと同時に、身体が熱くなる。


「なぁ先生……」

「ん?」

「俺、女抱けるかな?」


カルテから目を上げて、俺の方を振り返った凌太先生。

投げ掛けた俺の質問は、俺自身も驚くような言葉で、2人して目を見開いて見つめ合う。


「……っ……」

今更取り消し様のないその言葉を、どうやって誤魔化そうかと沸騰しそうに熱くなった頭で考える。


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