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pure love

第3章 初恋?

ふと、凛の隣で訝しげな顔をしているイケメンと目が合う。


─────あ‼︎


このイケメン、凌太先生に似ていたんだ。

合宿の後に凛を迎えに来てた時にも思ったけど、凛を見る時の優しそうな雰囲気と表情…それが凌太先生とよく似てる。


さっき凌太先生を”親父”って言ってた。

って事は……

「凛の兄の、秋村優太[あきむら ゆうた]です」


頭ん中フル回転でいろいろ考えてた俺の顔は、余程難しい顔でもしていたのだろう。

凛の兄だという優太さんは、表情を緩めて俺にそう言った。


「秋村……」

秋村病院っていうくらいだから、苗字は”秋村”なんだよな。

分かり切った事なのにぼんやりとそう思うのは、今だに信じられないから。



「あ! 改めまして、秋村凛です」

慌てたように俺に向かって挨拶する凛。

どこか抜けたその仕草に笑いが込み上げると同時に脱力する。


そっか……俺、凛の下の名前しか知らなかった。


「まさか凛がこの病院の院長の娘とはな」

「まさか蓮くんがこの病院の患者とはな」

俺の口真似をしてそう言う凛と、ベッドに横になったまま笑い合った。

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