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pure love

第3章 初恋?

「ごめん……最後に1個だけ。凛のお母さんのお姉さん……今も生きてる?」

もうやめようと、話を変えようと思うのに、どうしてもそれが気になって仕方なかった。


生まれた時からこの病気…俺と同じだ。

それなら、俺はいつまで生きられるんだろう。

その人がまだ元気なら、俺も将来の夢を思い描ける。

恋愛したり、結婚したり、そんな夢も抱ける。



じっと凛を見つめれば、凛は悲しそうに顔を歪めて首を横に振った。

「私が生まれる前に……だから、会った事ないの」


「そっか……」

─────やっぱり、な……。

”完治”なんて、夢みたいな話なんだろうな。



「俺もそのうち……」


頭の中に靄が掛かる。

良からぬ方にばかり流される俺の胸の内は、小さな小さな呟きとなって零れ出ていた。

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