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pure love

第4章 距離

「草食……」

コンビニで買ってきたサラダを食いながら呟く紘平。


「草 食ってんのは紘平だろ」

大袈裟に弁当の中の唐揚げを箸で突き刺して口へと運ぶ。


「確かに…隣町の女子高生を毎朝電車で見つめてるだけの紘平も草食だけど…」

雅也の言葉に、

「ぶほっ」

とサラダを吹き出す紘平。


「ていうか、見てるだけの紘平より俺の方が行動してない?」

俺の言葉に奏が頷けば、噎せ込んだ苦しさからか涙の溜まった目でこちらを睨む紘平。


「蓮、男ならビシッと決めてこい! きっと凛ちゃんも蓮からの告白を待ってる!」

体育会系雅也の面倒なスイッチが入る。

「はいはい、そのうちな」

今のところ進展の予定はないけど…


「それより紘平だろ。見てるだけなんて…」

「その通り! 男らしくないぞ、紘平!」

「ええっ⁈ 」

雅也の矛先を紘平に変え、また落ち着いて飯が食える。


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