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pure love

第4章 距離

なのに…

「蓮はこのままでいいの?」

奏は俺をジッと見つめていた。


「何が?」

「凛ちゃんの事だよ」


……今度は奏かよ。

俺はまず完治しなきゃなんだよ…ってのは言えないんだけどな。


「平野から凛ちゃんを守る為にも、モテる凛ちゃんを他の男に取られない為にも、行動してみたら?」

「…………」

確かに…他の男が凛に触れるなんて嫌だ。

それに、

平野……

確かにアイツは厄介だ。


でも俺はどうしたいんだろ。

”付き合う”って何?

何すんだよ?


そう思った瞬間に、蘇る凛の唇の感触。


山登り合宿のあの日、ホンの一瞬触れたそれは柔らかくて…


「〜〜〜〜〜っ‼︎ 」

その甘い思い出は、俺の体温を一気に上昇させた。



「あ、蓮! お前厭らしい事考えただろ? 顔真っ赤」

片手で顔を覆い、指差して笑う奏の腹に一発お見舞いし、俺は廊下へと逃げ出した。

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