神様の独り言
第8章 神様は愛を理解する
『…そ…それじゃぁ…』
「―――――…ここ…もう少しで取り壊して…新しいアパートが建つの――――…だから…荷物とかそのままで…一緒に解体することにしたらしいの――…だから…そのままにしてあるわ…」
ハキは、チラッと道子を横目で見て…肩を上げた―――…
『道子…力使った?』
「―――――…土地と建物を買っただけよ…力は使ってない…」
ハキは、安心したのか…道子と手を繋ぐ…
『無理しないで……また、体調崩すよ?
後…無駄使いしない!』
年下なのに…意外にしっかりもののハキに最近押されぎみの道子…
「――――と、投資だから!未来への投資!!」
そう言ってくれた道子に…ハキは、キュっと手を握り返す―――――…
「裕太の何かが…残ってるといいわね…」
ハキは、目の前のアパートを見つめ…
うなずいた――――――…