神様の独り言
第9章 迷羊は神を知る
「も…申し訳ございません!酒井様にも聞かれたのですが――――…記憶が…記憶がないのです!!」
酒井の報告の通りで―――…
潜在能力に訴えかけても…出て来ないほどの……力?
「――――…そうですが…」
道子は、女性を刺激しないように…
悲しげにため息をはいた…
だが、使用人の女性は額をガンガンと床に打ち付け…
道子に、何度も…何度も謝る―――――…
「申し訳…ございません!申し訳ございません!!
私が…私が……あんな声に耳を傾けるなければ!!
振り向かなければ!!!」
道子は、彼女の額を打ち付ける行為を止めようと近寄るが――…
彼女の発言に―――…
道子は体が固まる…