神様の独り言
第9章 迷羊は神を知る
『道子――――俺も一緒に行くよ…』
「え―――…でも」
道子は、ハキが一緒に来る事に難色を見せる…
耳が無いハキが力に左右されず…一番安全だが…
道子は…それすらも不安になる…
「…いきなり…耳が聞こえるようになったら…怖いなぁ」
道子は、力なく呟き…ハキの胸に顔を埋めた……
道子は、4才も年下のハキに甘えるように顔を擦り付ける…
“耳がいきなり聞こえる”か……
ハキは、そんなあり得ない心配をする道子を安心させようと…頭を撫でながら…ベッドに横になる――――…
「ハキ……キスして――」
道子は、ハキの胸に顔を埋めたまま…
可愛いおねだりをする…
唇の動きは…ハキには見えないが……
声の振動が胸を伝ってハキの脳に微かに届く……
「い゛…あ゛ぐぁ…」
ハキの…絞り出す声を聞き…
道子は、顔を上げる――――…
と、同時に…道子の唇にハキは、キスを落とす…
「///…ハキ……好き…だよ」
「///ぁあ゛ぐなぁ…」
「///俺もって…言ってるなら……嬉しいな…」
道子とハキは、抱き合ったまま…微笑み…
再び…唇を重ねた――――…