神様の独り言
第11章 神は力を知る―――…
「――――道子…君は、力が強すぎる…
なのに……力を使わない…
泉さんが…欲しかった力を…
疎ましく…捨てたがった…
ボクだって……普通に生きたかった…
時田に…力の洗脳を長年されて――――――――…
君の力の十分の一もない…
五年かかって…1つの会社を操っても…君に一瞬で潰される……
すぐに操れても…持続性は無い――――――――…
上書きされたら…君の力が勝つんだ……」
道子は、口をギュと結ぶ…
「しかも…耳の聞こえない少年を側に置いて……普通の暮らしを望んだ――――…
力は偉大なのに!君は、普通じゃないのに!君の声は“神の声”なのに!!
どうして、どうして!!
力を世界に使わない!君は、世界を手に入れられるのに!!
金も男も――――愛すらも手にいれらるのに!なんで!?」
大樹の声がどんどん大きくなり!!
表情が怖くなる―――…
憎い…
恨めしい…
憎い…恨めしい…
そんな感情が…道子の耳から脳に侵入する―――――…
頭が…クラクラしてくる…
だが…立ってられない程ではない…
道子は、ぐっと体に力を入れて…大樹を睨み付ける…