神様の独り言
第12章 神様は迷羊に救われる
マンションの寝室には…
まだ、二人の香りが残っている…
13時間前の…ハキの笑顔や…道子との微笑ましいやり取りを思いだし…酒井は微笑む――――――――…
と―――――…同時に……
遠くの景色が……色鮮やかに見えた―――――――…
“終わった”?と…思ってしまう…
酒井は、なぜ今まで泉様を忘れていたのか……
不思議な感覚に……
頭を押さえた…
おかしい…記憶が曖昧…
歳とはいえ…ボケるには早すぎる――――――――…
道子がいない時につけていた補聴器の不具合か…
酒井は、耳鳴りに悩まされる…