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神様の独り言

第3章 神様は立ち止まる


催眠術…


暗示――――――――…



道子は、あの時つかった本だと解っていたが…



解除の仕方が解らないのだ…




しかも…あの本が――――――…




見当たらない―――――…



あの日…気を失った時の騒ぎに紛れ紛失してしまったのだ…




本の題名すら思い出せない…



確認したいが…


今では、曖昧になる記憶に阻まれ…


催眠術解除は…諦めてしまった…






ただ…道子の言葉は…力を持った魔物となる…





嬉しいこともあったが…



大半は……道子の意とは関係なく…


命を捧げる人間が多かった…





「道子様…愛しています…」



「道子様が…願うなら…」






飛び降りたり…


首を吊ったり…






―――――…道子は…不思議と、彼らの行動や言葉をすんなり受け入れることが出来た…




だが……増える遺体や…うんざりする愛の雄叫びに…




言葉を発する事を極力控え…


すぐに手話を覚える事にした…



使用人にも…使うよう命じたが…




言葉を聞いた使用人達は…

寝ずに習得を試みる…






中には…眠れず…手話取得のプレッシャーに負け…


道子に謝りながら…命を絶つ使用人もいた―――――…




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