神様の独り言
第5章 神様は朝日を掴む
少年は、背を丸め――――…
怯えた様に……体を震わせ…頭を掻きむしりながら瞳を固く閉じている――――…
その間も…マニア達は…
互いの愛犬を撲殺したり…
頭と胴体を引き離してみたり…
皮を剥いでみたり――――…
と、愛犬家らしからぬ方法で次々と獣臭さを血の鉄臭さに変えていった…
道子の一言で―――――…
マニア達は…道子のためだけに生き―――――――…
愛を囁く―――――――…
「神よ――――…我々は…日々獣と共に過ごしてきました…
何て…汚ならしい存在なのでしょう」
「私は……臭く汚れている」
マニア達は口々に自分の臭く汚ならしさを悔やむ…
そして…マニアの一人は…
バラバラになった犬達の牙を拾い…
自分の皮膚を剥がそうとする――――――…
「ぐあああああああああ!!ぎだない…汚い皮膚など…要りません〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
血が吹き出し…壁や床に…
己の血が飛び散ろうが…
牙を突き立てたマニアは…手を止める事なく―――――…
己の皮膚を…剥がし続け―――――…
あまりの激痛に…
ショック死状態になるが…
倒れ…皮膚の下を剥き出しにした顔には笑顔が溢れていた…