神様の独り言
第5章 神様は朝日を掴む
道子は、タクシーを拾い…
少年と共に…マンションに帰ってきた――――――…
少年は、絶えずうめき…震え…
瞳孔を開いたまま…涙を流し続けた…
パニック状態で…
シーツをきつく握り――――…
道子に姿を見せまいと……体に力を入れ続けている―――――…
マンションの部屋入ると…
酒井が道子を出迎えた…
「お帰りなさいませ…」
『酒井…お風呂の準備をお願い……後、暖かい食事も…』
「かしこまりました」
酒井は、シーツに包まれた少年に驚きもせず…
道子の手話に素直に準備を始めた――――――――…
道子は…腕の中で震える少年を大事にソファに座らせ……
体を優しく抱き締めた!!
「あぁ……ハキ…」
道子は、やっと手に入れた喜びと―――――――…
今までに味わった事のない安心感を少年からもらっていた…
「ああ…ハキ…
お願い…側にいて…」
道子にとって…初めての執着…
実の母にも…思った事のない…
唯一無二の…安心感…
道子は――――――…
この時…確実に…
幸せだった―――――…